[A02-1: Yoshiaki Furukawa]
“A dual role of cysteine residues in the maturation of prokaryotic Cu/Zn-superoxide dismutase”
Furukawa Y*, Shintani A, and Kokubo T
Metallomics, 2021, 30, mfab050
doi: 10.1093/mtomcs/mfab050
(ひとこと) 銅・亜鉛スーパーオキシドディスムターゼには、高度に保存された分子内ジスルフィド(S-S)結合が形成していますが、私たちはS-S結合の形成がタンパク質構造の安定化に必須であることをこれまでに示してきました。今回の研究では、大腸菌由来の銅・亜鉛スーパーオキシドディスムターゼ(SodC)に着目し、S-S結合が形成する前のシステイン残基におけるチオレート基が、銅イオンや亜鉛イオンの獲得に重要であることを示しました。つまり、SodCのシステイン残基は、「金属イオンの獲得」とS-S結合形成を通じた「タンパク質構造の安定化」という、二重の役割を有していることを提案しています。
“Metal distribution in Cu/Zn-superoxide dismutase revealed by native mass spectrometry”
Tajiri M, Aoki H, Shintani A, Sue K, Akashi S*, and Furukawa Y*
Free Radical Biology and Medicine, 2022, in press
doi: 10.1016/j.freeradbiomed.2022.03.014
(ひとこと)SOD1はホモ二量体として存在する金属タンパク質で、それぞれのサブユニットでは、活性部位として機能する銅イオンを結合するとともに、タンパク質構造の安定化を担う亜鉛イオンが結合します。一方、生体試料から単離・精製すると、化学量論量とは異なる割合で銅・亜鉛イオンを結合しているSOD1(金属異常型)が得られることがよくあります。特に、筋萎縮性側索硬化症(ALS)では、SOD1と金属イオンとの結合親和性が低下し、タンパク質構造の異常化(ミスフォールド)が進行することで、疾患が発症するのではないかと提案されています。そこで、銅・亜鉛イオンがSOD1分子内にどのように分布して結合しているのかをネイティブ質量分析により検討したところ、それぞれの金属イオンがそれぞれの結合部位に正確に結合するには、SOD1に保存されたジスルフィド結合が還元されている必要があることがわかりました。つまり、ALSに見られる金属異常型SOD1は、ジスルフィド形成の制御異常によって生じると考えられ、特に、細胞内レドックスの状態変化がALSの発症に関与しているのではないかと推察されます。
[A02公募: Yoshihito Kishita]
“Genome sequencing and RNA-seq analyses of mitochondrial complex I deficiency revealed Alu insertion-mediated deletion in NDUFV2”
Kishita Y, Shimura M, Kohda M, Fushimi T, Nitta KR, Yatsuka Y, Hirose S., Ideguchi H, Ohtake A, Murayama K, Okazaki Y
Hum Mutat, 2021, in press
doi: 10.1002/humu.24274
(ひとこと) (ひとこと)ミトコンドリアの呼吸鎖複合体では鉄硫黄クラスターを介して、電子伝達が行われています。本研究では、ミトコンドリア病患者の疾患原因として、鉄硫黄クラスターを含むNDUFV2という遺伝子に、新規の遺伝子異常を見出しました。この研究に関して、所属機関等からプレスリリースを発表しています。
