A03:「過剰鉄によるフェロトーシス惹起メカニズムの解明」
藤田 宏明(京都大学大学院 医学研究科)
Lab website

鉄は容易に電子を授受する性質から多くの酸化還元酵素の活性中心として機能する生体に必須の微量金属であるが、一方で過剰に存在すればフリーラジカルを発生し、毒性を発揮する。特に近年、鉄による脂質過酸化によって惹起される新規細胞死フェロトーシスは、がんや虚血性疾患との関連から、精力的に解析されている。しかし、フェロトーシスという名称とは相反して鉄によるフェロトーシス惹起メカニズムは未解明である。本研究では過剰鉄依存的フェロトーシスの全容を明らかにするため、鉄添加によりフェロトーシス様の細胞死が惹起される細胞をCRISPR/Cas9技術により作成した。さらに、作成した細胞でCRISPRスクリーニングを行い、制御遺伝子の網羅的解析を行った。中でも、過剰鉄依存的フェロトーシスの重要な惹起因子と考えられる因子に焦点をあて解析し、過剰鉄依存的フェロトーシスの惹起メカニズムを明らかにすると共に、マウスの解析を通じて生理的役割の解明を目指す。

【関連する代表的論文】
H. Fujita, A. Tokunaga, S. Shimizu, AL. Whiting, F. Aguilar-Alonso, K. Takagi, E. Walinda, Y. Sasaki, T. Shimokawa, T. Mizushima, I. Ohki, M. Ariyoshi, H. Tochio, F. Bernal, M. Shirakawa, K. Iwai
“Cooperative domain formation by homologous motifs in HOIL-1L and SHARPIN plays crucial roles in LUBAC stabilization”
Cell reports 2018, 23, 1192-1204
doi: 10.1016/j.celrep.2018.03.112
H. Fujita, S. Rahighi, M. Akita, R. Kato, Y. Sasaki, S. Wakatsuki, K. Iwai
“Mechanism underlying IKK activation mediated by the linear ubiquitin chain assembly complex (LUBAC)”
Mol. Cell. Biol. 2014, 34, 1322-1335
doi: 10.1128/MCB.01538-13
K. Iwai, H. Fujita, Y. Sasaki
“Linear ubiquitin chains: NF-κB signalling, cell death, and beyond.”
Nature Rev. Mol. Cell Biol. 2014, 15, 503-508
doi: 10.1038/nrm3836.
