B01：「生命金属科学研究を牽引する一細胞ハンドリング・サンプリングツールの開発」
梅村 知也（東京薬科大学 生命科学部）
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細胞内にはどんな元素がどれだけ含まれているのか？この極めてシンプルな質問に回答できる十分なデータがいまだに存在しません。微量金属元素が細胞内で及ぼす影響は、共存する他の成分との相乗作用や拮抗作用により変化すると考えられ、さらには代替作用も考慮する必要があります。また、同じ組織を構成する細胞であってもその元素の利用状況にかなりの違いがあることも分かってきました。したがって，生命金属科学を推進するためには，一細胞レベルで網羅的に元素分析を実施し，すべての元素の存在量・変動から総合的に判断することが必要となります。そこで本研究では、誘導結合プラズマ質量分析法を基盤とした一細胞メタローム解析技術の開発に挑戦します。具体的には、微細加工技術を駆使して、一細胞分析に特化した2種類の単一細胞ハンドリングデバイス（1細胞トラッピングマルチウェルプレートと1細胞配列用マイクロ流体デバイス）を開発します。
【関連する代表的論文】
H. Tani,, A. Numajiri, M. Aoki, T. Umemura, T. Nakazato
“Short-lived Long Noncoding RNAs as Surrogate Indicators for Chemical Stress in HepG2 Cells and Their Degradation by Nuclear RNases”
Sci. Rep., 2019, 9, 20299
doi: 10.1038/s41598-019-56869-y
E. Fujimori, S. Nagata, H. Kumata, T. Umemura
“Investigation of Adverse Effect of Coexisting Aminopolycarboxylates on the Determination of Rare Earth Elements by ICP-MS After Solid Phase Extraction Using an Iminodiacetate-Based Chelating-Resin”
Chemosphere 2019, 214, 288-294
doi: 10.1016/j.chemosphere.2018.09.073
A. Hirose, T. Kasai, M. Aoki, T. Umemura, K. Watanabe, A. Kouzuma
“Electrochemically Active Bacteria Sense Electrode Potentials for Regulating Catabolic Pathways”
Nat. Commun., 2018, 9, 1083
doi: 10.1038/s41467-018-03416-4