活動予定

本領域および生命金属に関連したイベントです
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5月
21
第1回 生命金属科学シンポジウム
5月 21 @ 12:30 – 5月 23 @ 14:45
【開催報告(A03-4 鈴木)】 2022年5月21日~23日に東京大学農学部弥生講堂にて、「第1回生命金属科学シンポジウム」が開催されました。様々な学会や研究会に「生命金属」に関する分科会があるような状況で、生命金属科学の研究が主となる統一的な学会や集会がありませんでした。そこでまずは、シンポジウムからという城先生のご提案、企画により、今回が記念すべき第1回となりました。 シンポジウム初日は新学術領域「生命金属科学」の計画班員による進捗報告、研究計画の発表から始まりました。生命金属動態に関する「A01:維持」「A02:破綻」「A03:攪乱」「B01:測定解析」の4班から計15題の講演が行われました。 2日目からは、外部講演者の先生方をお招きして、ヘムや金属酵素といった分子から、微生物や植物といった生物個体に至るからさまざまなレベルを対象とし、放射光やNMRといった測定解析技術などを含めた多岐に渡る分野に関する講演が行われました。また、特別講演としては、大阪大学蛋白質研究所の栗栖源嗣先生をお招きして、フェレドキシンに関するこれまでの構造研究をお話いただきました。その後、午後にはポスターセッションが開催され、計21題のポスター発表が行われました。セッションの開始から終了まで、どのポスターの前にも途切れることなく常に多くの人が集まり、熱心に議論している様子が印象的でした。 最終日となった3日目には、亜鉛やセレンなどの元素を中心に、微生物から細胞レベル、さらに心循環、結石、神経変性などヒトの疾患に関連した講演が行われ、特に、特別講演としてお招きした名古屋大学環境医学研究所の山中宏二先生には、神経変性疾患である筋萎縮性側索硬化症の病態研究に関してお話いただきました。 今回のシンポジウムでは3日間に渡って、合計110名程度の参加者があり、質疑応答やポスターセッションでは、非常に活発に意見が交わされていました。生命科学の分野で、「金属」をキーワードに多くの様々な分野の人が集まり交流することで、新たな成果が続々と生まれそうだと感じるとともに、今後もこのシンポジウムが続いていくことで、「生命金属科学」が大きく発展すると確信しました。
6月
9
第22回日本蛋白質科学会年会 @ つくば国際会議場
6月 9 @ 08:45 – 11:15

A02-1計画班 古川とA03-1計画班 神戸がオーガナイザーとなって、ワークショップ「多彩な分野からなる「生命金属科学」の最前線」を開催します。

概要:新学術領域「生命金属科学」では、生命現象に関与する金属元素を対象とした従来のいくつかの研究分野を、最新で多彩な手法を取り入れることで統合し、新たな研究分野「生命金属科学」の構築を目指しています。本セッションでは、分子から個体に至るまでの様々なレベルを対象とする多彩な分野から気鋭の研究者を招き、生命金属科学の構築に向けた研究の最前線を紹介していただきます。

講演者:
當舎 武彦(理研・SPring-8)「各種分光計測を駆使した鉄活性中心における一酸化窒素還元酵素の反応機構の解明」
村木 則文(自然科学研究機構・生命創成、分子研)「過渡的な複合体形成を伴うヒドロゲナーゼ鉄錯体の生合成機構」
天貝 佑太(東北大・多元研)「ERp44 を介した亜鉛とレドックスホメオスタシスのクロストーク」
福中 彩子(群大・生調研)「ZIP13 と鉄を介する新しい脂肪分解の制御機構」
田村 朋則(京大院・工)「オルガネラ選択的脂質ラベリングによる脂質制御因子の遺伝子スクリーニング」
内田 康雄(東北大院・薬)「次世代型定量プロテオミクスと金属輸送研究への応用」
中木戸 誠(東大院・工・バイオエンジ)「化膿レンサ球菌細胞表面由来金属結合タンパク質に対する機能阻害剤探索」

【開催報告】(文責:古川)
年会3日目となる最終日の朝からの開催となりましたが、会場には講演者の他に20−30名ほどにお集まりいただき、おかげさまで盛況なワークショップにすることができました。また、Zoomからのオンライン参加者として、常時20名ほどにご参加いただきました。原子・分子レベルでのご研究をされている當舎さん・村木さん、細胞・個体レベルでのタンパク質・生命金属の挙動についてご発表された天貝さん・福中さんにご発表いただき、本新学術が目指している「生命の階層を横断する生命金属科学研究」を示すことができました。また、田村さん・内田さんには、最新の手法による生命金属の網羅的研究を紹介していただき、中木戸さんには、生命金属研究を医薬品開発へと展開しようとする挑戦的な試みを発表いただきました。ワークショップを通じて、非常に活発な質疑応答が行われ、有意義な時間となりました。ご参加いただきました方々に感謝申し上げます。

7月
11
The 8th International Symposium on Metallomics @ 金沢商工会議所
7月 11 – 7月 14 終日

B01-1計画班の小椋がメタロミクスに関する国際シンポジウムをオーガナイザーとして開催いたします。詳細はこちらのページをご覧ください。

特に、7/11の13:00-15:30に、本新学術領域のリーディングサイエンティストである末松誠 先生(慶応大・医)がプレナリーレクチャーをされます。

また、7/12の9:00-11:00には、本新学術領域との共催で「Recent Progress in Bio-metal Transport」というセッションをA01班 高野・A02班 古川・A03班 神戸が担当します。

講演者は、
Luqing Zheng(Nanjing Agricultural University)
神戸 大朋(京都大学)
高野 順平(大阪府立大学)
藤代 瞳(徳島文理大学)
福中 彩子(群馬大学)
となっております。

みなさま、ぜひご参加ください。

The 8th International Symposium on Metallomics (ISM-8)を開催して
B01班 小椋康光(千葉大院薬)
2022年7月11-14日の会期で石川県金沢市においてISM-8を開催させていただいた。本領域に参画させている先生方には、ISM-8のアドバイザリーボード、国内組織委員、シンポジウムオーガナイザー、シンポジスト、座長、一般講演、ポスター講演など、多岐にわたりご協力をいただいたこと、また本領域から開催補助経費を支弁していただいたことに対し、まず御礼申し上げたい。
ISMは2007年に名古屋において、原口紘炁先生(現名古屋大学名誉教授)が第一回目の会議を主催されて以来、2年毎にシンシナッティ(米国、2009)、ミュンスター(ドイツ、2011)、オビエド(スペイン、2013)、北京(中国、2015)、ウィーン(オーストリア、2017)、ワルシャワ(ポーランド、2019)と開催され、当初8回目の会議は2021年に千葉の幕張で開催する予定であった。しかし、コロナ禍により1年の延期と開催場所を首都圏から変更することを余儀なくされ、2022年に金沢市で開催する運びとなった。引き続きコロナ禍の影響から脱することができていない中、幸いなことに205名の参加者があり、うち150名が対面参加であった。国外からの対面参加者を受け入れることについては、実行委員会で議論を重ねたところ、できる限り受け入れる方向で進めようということで意見がまとまり、受け入れに必要な事務手続きなども実行委員会と運営事務局との協力・連携により、滞りなく進めることができた。その結果、ヨーロッパを中心に22名の海外参加者を迎え入れることができた。一方、アジア・アメリカの参加者を中心に33名にオンラインで参加をいただいた。
ISMは、もともと生体や環境中の金属分析を行っている研究者が多かったが、回を経る毎に、生物無機化学、毒性学、生態学、医学、薬学、農学等の分野を増やす努力を重ねてきたことにより、ISM-8においても“生命金属”をキーワードとする多様な研究者に参加をいただいた。一方、第1回目から参加している金属分析に興味のある研究者や協賛企業も多く参加しており、毎回のISMで新たに注目されている生命金属分析法のトレンドを伺い知ることもできる。生命金属分析法の発展が、あらたな金属の関与する生命現象の解明に貢献してきたことは、過去を振り返れば数多の例があるため、今後もどのように分析法が発展していくのかについては、B01班員としては大いに着目しているところである。
次回のISM(ISM-9)は、2024年の7月にロンドン(英国)で行われることが決まっている。組織委員長は、Kings College in Londonに設置されているLondon Metallomics Facilityに所属するDr. Theodora Stewartである。余談ではあるが、北米にはシンシナッティ大学内にMetallomics Center of the Americasという研究センターがあり、最近では中国科学院(CAS)と香港大学(HKU)が合同でCAS-HKU Joint Laboratory of Metallomics on Health and Environmentという研究機関を立ち上げた。特にこの中国の組織は精力的に研究を展開している。一方、Metallomicsという学術雑誌は、2009年にRoyal Society of Chemistryで創刊され、2021年からはOxford University Press(OUP)に発行元が変わっている。最新のIFは4.636である。Metallomics は日本発のサイエンスであり、ISMの第一回目の会議は上述の通り、日本で開催されている。また2021年からは(一社)日本微量元素学会からMetallomics Researchという、OUPのMetallomics誌とは異なる編集方針の英文誌を刊行するに至っている。本領域をはじめ、我が国の生命金属研究も精力的に展開されている。今後もMetallomics発祥国として、世界の中でプレゼンスを発揮し続けることを願っている。
※Metallomics Research誌のURLは以下のとおりです。是非、ご投稿を検討ください。
https://metallomicsresearch.brte.org/


末松 誠先生(慶応大学医学部)によるPlenary Lecture。座長は、本領域運営統括・城 宜嗣先生


本領域の先生方によるシンポジウム

9月
3
第2回夏の合宿 @ ルスツリゾート
9月 3 – 9月 5 終日

昨年度に引き続き、北海道ルスツにて夏の合宿を開催いたします。詳細については決まり次第にご連絡いたします。

【実施報告】(石森・北海道大学)

第2回「夏の合宿」は、昨年度に引き続き、ルスツリゾートホテル&コンベンションで開催され、昨年度同様、コロナウイルス感染防止対策のもとでの開催で、参加いただいた方にはまだまだ不自由な思いをしていただいた面もありましたが、今年度は特別講演の講師の先生方を含め、100名近い方々に対面でご参加いただきました。また、今回はオンラインでの視聴は実施しなかったものの、ご都合で参加いただけない方には事前に作成していただいた動画をお送りいただくことで、班員全員が参加していただく形をとることができました。

今回は、テーマとして「生命金属科学研究の次世代はどうなる、それに必要な技術は」ということで、初日の9月3日(土)は、B01班:生命金属動態の「測定解析」の班員を中心に、独自の方法論を組み合わせた連携研究報告が多く行われ、東北大・内田先生、横浜市大・明石先生、放医研・武田先生、筑波大・重田先生からは測定解析、方法論を軸とした研究成果が発表され、引き続き筑波大・新開先生、京都薬大・石原先生、京都大・藤田先生、九州大・西山先生、そして最後は京都大・中川先生と活発な連携研究の成果が報告されました。夕食後は「生命金属科学の現状と未来 その1」というセッションテーマの下、前半は大阪公立大・高野先生、石川県立大・小林先生、佐賀大・西田先生、名古屋大・井上先生と植物関連の研究発表が行われ、前半最後は明治大学の吉本光希先生から「植物体内Zn-Feイオンバランス維持における自己成分分解系オートファジーの重要性」という題目で特別講演をいただきました。休憩後の後半は薬学から医学関連の研究発表として、徳島文理大・藤代先生、東北大・有澤先生、名古屋大・長野先生、岐阜薬大・保住先生と続きましたが、活発な討論のため、夜の部が終了したのは午後10時をはるかに過ぎ、温泉入浴を諦める方もおられたようです。

 翌4日(日)も引き続き「生命金属科学の現状と未来 その2」というセッションテーマで、細胞生物学からデータベースやインフォマティクス、さらには新たな解析技術といった幅広い研究発表が、東北大・天貝先生、群馬大・福中先生、東京大・藤澤先生、京都大・神戸先生、佐賀大・堀谷先生、都立大・伊藤先生と続き、前半最後は特別講演で金沢大の福間剛士先生より「液中原子間力顕微鏡による生命システムと金属腐食現象のナノスケール研究」で締めくくることになりました。休憩後の後半では、東北大・横山先生、広島大・兼松先生、名古屋大・菅野先生により新たな実験的、理論的アプローチに関する研究発表が行われ、最後はセッションテーマに戻って慶応大・古川先生から「『生命金属科学』的な研究交流の場をどのように維持していくのか?」ということで話題提供いただきました。そのまま総合討論「生命金属科学の現状と未来」としてつながって、若手、中堅、古手の研究者の思い描く将来の生命金属科学が語られ、午前の部が終了しました。午後は若手会企画として、京都大の田村先生と東京大の鈴木先生にお世話いただき、今回は博士研究員や大学院生を中心とした若手研究者によるグループワークが行われ、それぞれ、各グループに割り当てられたテーマについて熱く議論が交わされていました。

夕食後はポスターセッションで、今年度は60件近くのポスター発表を出していただきました。発表件数としては昨年度よりも10件も増えてはいないのですが、オンラインでのポスター発表が多かった去年に比べ、今回は会場の雰囲気が格段に盛り上がり、各ポスターの前では熱い議論が交わされていました。特に博士研究員や大学院生の方々が夜遅くまで熱心に議論している姿を見ると、将来彼らがどのような生命金属科学を展開してくれるのか、楽しみになります。

最終日の5日(月)もセッションテーマを「生命金属科学の現状と未来 その3」として、主に化学的なアプローチを中心に慶應大・川上先生、京都大・田村先生、東北大・松井先生、岐阜薬科大・平山先生からの研究発表が続き、前半最後は京都大・浜地先生による特別講演「分子夾雑化学から生体金属への貢献?」を拝聴して休憩となりました。休憩後は、大阪公立大・藤枝先生、立命館大・三原先生、岡山大・根本先生、東京大・鈴木先生と、化学から生物学的な研究に話は進み、最後はセッションテーマに沿って千葉大の小椋先生から「ISM-8開催から見えた生命金属分析の現状と課題」について発表いただき、生命金属科学の現状と未来についての第2弾の総合討論を行うことができました。最後はリーディングサイエンティストとしてご参加いただいた齋藤先生より今回の夏合宿全体にわたる講評をいただくとともに、今後の生命金属科学を担う研究者への力強いエールをいただきました。

今年度の夏合宿では、対面形式で昨年度の約3倍の研究者に参加いただいたおかげで、昨年以上に「生命金属科学」に対するさまざまな思いと期待が、より明確に共有できたように思います。最後になりましたが、わざわざ現地までお越しいただいた招待講演者及び参加者の方々には御礼申し上げます。昨年度に続き、今年度の「夏の合宿」での議論も領域関係者の研究の進展と「生命金属科学」の確立やその新たな展開に貢献できれば幸いです。

【ポスター賞報告】(田村・京都大)

今年度は57件のポスター発表中、43件の若手賞への応募があり、領域内の若手・中堅メンバーによる厳正な審査の結果、受賞者は以下の6名に決定しました。


P5: 大村 翼世
「難分解性色素を効率的に分解可能なシトクロムcの設計と創製」

P6: 村西 和佳
「コレラ菌へのヘム添加による抗菌薬Polymixin耐性の発現」

P15: 浪川 勇人
「アコヤガイ貝殻の金属酵素(nacrein)を用いた炭素固定化法」

P21: 天貝 佑太
「小胞体亜鉛制御とタンパク質品質管理」

P34: 垣内 亮
「ヘム駆動型生体分子修飾プローブによる組織イメージング」

P35: 坂本 貫太朗
「X線結晶構造解析法による可溶性FamilyⅡ無機ピロフォスファターゼの触媒活性及び構造ダイナミクス機構の解明」

おめでとうございます!
今年も非常に接戦で誰が獲ってもおかしくないといった状況でしたので、今回惜しくも受賞を逃した方もぜひ来年応募していただければと思います。この度は若手ポスター発表にご参加、ご協力いただきありがとうございました。来年度もよろしくお願い致します。
【若手研究者によるグループワークの様子】
9月
8
第33回日本微量元素学会学術集会 @ 淡路夢舞台 国際会議場
9月 8 – 9月 10 終日

A03-1計画班の神戸とB01-1計画班の小椋が、本新学術領域との共催シンポジウム「若手が切り拓く生命金属科学の新機軸」をオーガナイズします。

講演者:
根本 理子(岡山大:A01公募班)
川上 了史(慶応大:A01公募班)
西田 翔(佐賀大:A03公募班)
菅野 里美(名古屋大:B01公募班)

詳しくはこちらのウェブサイトをご覧ください。

9月
28
第60回生物物理学会年会 @ 函館アリーナ C会場
9月 28 @ 09:00 – 11:30

B01公募班の平山先生(岐阜薬科大)とA03-2計画班の石森が、共催シンポジウム「生命金属のライブセルイメージング」をオーガナイズします。

概要:
The inorganic ions are essential for life despite their small amounts, in addition to organic macromolecules such as proteins, DNA, carbohydrates, and lipids. The dysfunction of the homeostasis of these inorganic ion species is involved in various pathologies. To understand the dynamics and functions of the inorganic species in living things, the observation of their existence and fluctuation in living cells is necessary. In this symposium, up-and-coming researchers will give talks on innovative methods for imaging inorganic species in living cells. This symposium is a collaborative symposium with Integrated Metal-bioscience.

B01公募班の平山先生の他、A01計画班の田村とB03計画班の武田による講演が予定されていますので、ぜひお越しください。

シンポジウムの開催報告が、日本生物物理学会の学会誌である”Biophysics and Physicobiology”に掲載されています。詳しくはこちらをご覧ください。

10月
19
メタルバイオサイエンス2022 @ 京都テルサ
10月 19 – 10月 20 終日

A03-1計画班の神戸が実行委員長として、メタルバイオサイエンス2022を開催します。
A02公募班の長野先生(大阪大)とA01公募班の三原先生(立命館大)による特別講演のほかに、2件の共催シンポジウムが予定されています。

【研究会開催報告】(神戸大朋・京都大)
10 月 19 日(水)と 20 日(木)の二日にわたり、 京都テルサを会場にして「生命金属科学」との共催で、 メタルバイオサイエンス研究会2022を開催しました。本研究会は、ここ 2年間、COVID-19の感染状況に応じて、オンライン、ハイブリッドでの開催となっていましたが、今回は完全オンサイトでの開催としました。二日間で120名にご参加いただき、5つの受賞講演、2つの特別公演、4つのシンポジウム(合計20演題)のほか、口頭発表17題、ポスター発表37題をご発表いただき、充実した研究会となりました。本領域から開催補助経費を支弁していただいたことに対しまして、改めて御礼申し上げます。本研究会では、シンポジウム企画段階から、班員の皆様には多大なご協力を賜りました。特別講演として、A02 班の長野先生からは「神経変性疾患におけるバイオメタルの役割」、A01班の三原先生からは「バクテリアが駆動するカルコゲン元素循環の分子メカニズム」をご講演いただきました。4つのシンポジウムのうちの2つは、生命金属科学研究会・若手会の企画としてご提案いただきました。鈴木先生(A03班)と田村先生(A01班)には、「新学術×学術変革−ますます広がる新たな「生命金属科学」」を企画していただき、他の新学術・学術変革の領域で活発に活動されている先生方にご講演いただきました。澤井先生 (A01班)と村木先生(A01 班)からは、「メタルバイオサイエンスの未来を拓く生物無機化学への招待」を企画していただき、中堅・若手の生命金属研究者から最新の成果をご講演いただきました。どちらも非 常に内容の濃い素晴らしいシンポジウムとなり、活発な議論が展開されました。また、残り2つのシンポジウムにも、福中先生(A03班)が「金属輸送体からみた栄養学・毒性学」、新開先生(A02班)が「有害金属毒性を修飾する多様な生体内システム」の企画に加わってくださいました。口頭発表、ポスター発表におきましても多数の班員・関係者の皆様にご発表 いただき、盛り上げていただきました。金属研究の情報交換と研究者交流の場として有意義なものにしていただけたのではないかと考えております。本研究会の準備段階で、多数の若手研究者や学生から優れた発表要旨が届いたこともあり、何かモチ ベーション向上につながることはできないかと考えて、研究会の通常の賞に加えて、今回の独自の賞として「生命金属科学研究推進賞」を設けさせていただき、7名の若手研究者・学生に授与することができました。受賞者の皆様の今後のご活躍を祈念いたします。

【シンポジウム開催報告1】(鈴木道生 東大・田村朋則 京大)
10月19日の午前にシンポジウム『新学術×学術変革―ますます広がる新たな「生命金属科学」』を開催しました。企画の趣旨として、各新学術領域・学術変革で活躍しておられる若手-中堅の先生をお呼びして、生命金属の学問としての可能性をより広げることを目指しました。4名の先生にご講演いただき、人工金属酵素、ラマンプローブを用いた分子イメージング、カイメン動物におけるシリカのバイオミネラリゼーション、フェロトーシスの制御メカニズム、といった多岐にわたるトピックスについて活発な討論が行われました。終了後もシンポジストを中心にディスカッションが盛り上がり、大変有意義なシンポジウムとなりました。ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
シンポジスト
岡本泰典(東北大学 学際科学フロンティア研究所)
「人工金属酵素の開発と生化学的応用」
神谷真子(東京工業大学 生命理工学院)
「機能性ラマンプローブの開発によるバイオイメージング」
船山典子(京都大学大学院 理学研究科)
「作業員細胞が針状構造物を産生、運搬、建て、つなげて建設する新規コンセプトの動物の形作り機構」
藤田宏明(京都大学大学院 医学研究科)
「鉄誘導性フェロトーシスの制御メカニズム解明」

【シンポジウム開催報告2】(澤井仁美・長崎大)
10月20日の午後にシンポジウム「メタルバイオサイエンスの未来を拓く生物無機化学への招待」を開催し、「生物無機化学」の分野で活躍しておられる30-40代の6名の研究者(添付資料)にご講演いただきました。金属細胞生物学・毒性学分野の参加者の多いメタルバイオサイエンス研究会にて、最近の「生物無機化学」の具体的な研究内容や最先端手法を知っていただいて、相互に連携し合える可能性を考える機会を設けました。このシンポジウムを機に、若手研究者を中心に生命金属研究に関わる連携が広がることを期待しています。ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。

講演者:
澤井仁美・長崎大学工学部
北岸宏亮・同志社大学理工学部
小野田浩宜・名古屋大学シンクロトロン光研究センター
當舎武彦・理化学研究所SPring-8
藤枝伸宇・大阪公立大学大学院農学研究科
村木則文・慶應義塾大学理工学部

【シンポジウム開催報告3】(福中彩子・群馬大)
10/ 19(金)にA03公募班の福中(群馬大学)と橋本(京都女子大)がオーガナイザーとなって、シンポジウム2「金属輸送体からみた栄養学・毒性学」を開催しました。5名の講演者に、ZIPトランスポーターの役割について栄養学や毒性学の観点から講演していただきました。

藤代瞳(徳島文理代・薬) (A03班 計画班)
「亜鉛トランスポーターZIP8のアミノ酸変異がマンガン及びカドミウム輸送活性に与える影響」
福中彩子(群大・生調研)(A03班 公募班)
「金属輸送体ZIP13から究明する代謝システムの解明」
藤江智也(東京理大・薬)
「カドミウムの内皮細胞毒性に関与する金属輸送体ZIP8の発現誘導とその機構」
橋本彩子(京女大・家政)
「亜鉛輸送体による亜鉛吸収の制御機構」
西田翔(佐賀大・農)(A03班 公募班)
「ニッケル超集積植物におけるニッケルトランスポーターの量的・質的な適応変化」

【シンポジウム開催報告4】(新開泰弘・筑波大)
研究会2日目である10/ 20 (木)の午前中に、本研究会の副実行委員長を務めた木村(摂南大学)とA02公募班の新開(筑波大学)がオーガナイザーとなって、シンポジウム3「有害金属毒性を修飾する多様な生体内システム」を開催しました。オーガナイザー2名を含めて下記の5名の講演者に、重金属やヒ素などの有害金属毒性を修飾するような様々な生体内システムについて講演していただきました。

高根沢 康一(北里大学 薬学部)
「オートファジーレセプターp62によるメチル水銀毒性の制御」
高橋 勉(東京薬科大 薬学部)
「亜ヒ酸毒性発現に関与する血液凝固・線溶系の制御機構」
石原 康宏(広島大大学院 統合生命科学研究科) (A03・公募班(第1期))
「マンガン神経毒性に対するニューロエストロゲンの作用」
木村 朋紀(摂南大 理工学部)
「カドミウムの胎盤毒性とメタロチオネインによる抑制効果」
新開 泰弘(筑波大 医学医療系) (A02・公募班(第2期))
「超硫黄分子による重金属毒性の制御機構」

一人当たり持ち時間24分での発表ではありましたが、多くの研究会参加者にご参加頂き、活発な討論が行われました。完全対面で開催できたこともあり、シンポジスト同士の交流も深めることができ、大変有意義なシンポジウムとなりました。この場を借りてご参加いただきました皆様にお礼を申し上げます。

10月
21
第5回 領域会議地方巡業@京都 @ 京都テルサ
10月 21 @ 09:15 – 20:00

2022年度 第1回(通算では第5回)の領域会議地方巡業が、10/21の9:15から京都テルサにて行われます。京都薬大の石原先生(A02公募班)・京都大の藤田先生(A03公募班)・京都大の田村先生(A01計画班)が中心となって、ハイブリッド形式での開催となります。主に関西地区の班員からの経過報告と2件の特別講演が予定されていますので、班員ほか関係者の皆様はご予定おきください。

【実施報告】(石原慶一)
本研究領域の班員(京都および中部地区)による研究経過報告報告会が対面+オンラインのハイブリッドで開催されました。新型コロナの第7波も減少してきたこともあり、一部ですが無事に対面での会議が行えたことを嬉しく思います。本領域計画班の神戸大朋先生(京都大学)が主催したメタルバイオサイエンス研究会2022(10/19-10/20)に続いて同じ会場にて行いました。29名の方々の現地での参加と、39名のオンラインでの参加で総勢68名での会議となり、非常に活発な議論がなされました。特に、船戸洋佑先生・大阪大学微研および岩井一宏先生・京都大学による特別講演の2演題は刺激的な内容で、多くの質問にお答えいただきました。両先生にはご講演いただきましこと深く御礼申し上げます。一方、計画班および公募班の班員9名による研究経過報告も、持ち時間20分での発表ではありましたが、活発な質疑応答が行われ熱い議論が行われました。

11月
9
第95回日本生化学会大会 @ 名古屋国際会議場 第1会場
11月 9 @ 09:00 – 11:00

A03-1計画班の神戸と領域代表の津本が、共催シンポジウム「生命の階層構造の観点から生命金属の役割を探る」をオーガナイズします。

概要:
生体内に存在するタンパク質の約3割は、何らかの金属イオンと結合することで初めて機能獲得し、様々な生命現象に関与することができる。したがって、金属イオンの吸収・輸送・運搬・活用・感知は、生体内で厳密に制御されており、その解明は生命現象を正しく理解する上で不可欠となる。本シンポジウムでは、鉄・亜鉛・銅・マンガンといった「生体金属」に関する知見を、低分子・タンパク質・細胞・組織・個体レベルで俯瞰し、生命金属が生命維持に果たす役割や、その破綻が疾病の原因となるメカニズム、生命金属をターゲットにした治療薬の可能性について、最新の知見を交えて幅広く議論する。近年、生命金属が関わる現象には大きな注目が集まっており、本シンポジウムでもその魅力を発信したい。

講演者:
石森 浩一郎(北海道大学大学院 理学研究院)「鉄制御蛋白質(IRP)におけるヘムによる翻訳制御機構」
澤井 仁美(長崎大学大学院 工学研究科)「鉄栄養素の細胞内動態を分子と細胞の階層で探る」
古川 良明(慶應義塾大学 理工学部)「神経変性疾患にみられるSOD1タンパク質への酸化修飾と構造異常化のメカニズム」
神戸 大朋(京都大学大学院 生命科学研究科)「オルガネラ局在型亜鉛酵素の亜鉛メタレーションと活性化」
高野 順平(大阪公立大学大学院 農学研究科)「植物におけるホウ素の利用とホウ酸トランスセプター」

【開催報告】(神戸)
第95回日本生化学会大会におきまして、11月9日(水)にIBmSとの共催シンポジウム『生命の階層構造の観点から生命金属の役割を探る』を開催しました。石森(A03班)、澤井(A01班)、古川(A02班)、神戸(A03班)、高野(A01班)の5名がIBmSの研究紹介を兼ねて講演を行いました。大会初日、最も大きい第1会場(レセプションホール)での開催だったため、空席が目立つのではないかと心配しておりましたが、多くの方々に参加していただき、杞憂に終わりました。質疑応答も活発に行われ、充実したシンポジウムでした。ご講演いただきました班員とご参加いただきました皆様にお礼申し上げます。

11月
28
10th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference (AsBIC10) @ 神戸国際会議場
11月 28 – 12月 3 終日

A01-1計画班の城がConference chairとして、生物無機化学に関する国際会議であるAsBIC10を開催します。本新学術領域の構成員が多く参画しておりますので、ぜひご参加ください。詳細は、こちらのサイトをご覧ください。

【開催報告】(A01班 城)

10th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference(AsBIC10)を開催して

 令和4年11月28日から12月3日の6日間、神戸国際会議場で第10回アジア生物無機化学国際会議(AsBIC10: 10th Asian Biological Inorganic Chemistry Conference)を開催させていただきました。私と阪大工学部の伊東忍さんがCo-Chairとして主宰しました。この国際会議は、SBIC(Society of Biological Inorganic Chemistry)が後援する生物無機化学関連の国際会議の1つであり、2002年に岡崎の分子科学研究所で第1回が開催されて以来、第2回(2004年、インド、ゴア)、第3回(2006年、中国、南京)、第4回(2008年、韓国、チェジュ島)、第5回(2010年、台湾、高雄)、第6回(2012年、香港)、第7回(2014年、オーストラリア、ゴールドコースト)、第8回(2016年、ニュージーランド、オークランド)、第9回(2018年、シンガポール)と順調に2年おきにアジア各所で開催されてきました。ところが、2020年に中国、桂林で開催予定だった第10回AsBICは、コロナ禍により中止となってしまいました。これにより、第11回の予定であった2022年の神戸を第10回として開催することになりました(ちなみに、桂林では2024年にAsBIC11が開催されます)。

 開催することを決定したのはよかったのですが、コロナ禍が収まる気配がない状態で、「どのような形態で開催するのか」が一番悩ましい点でした。コロナ禍の3年間、国内・国際会議は、中止になったり、オンラインあるいはハイブリッド開催になったりでした。オンライン会議は、距離に関係なく(地球の裏側とでも)人と話ができる、話を聞けるという大きなメリットがあることを我々は学びました。その一方で、科学の進展、展開、そして大きな発展には、研究者同士の直接的なコミュニケーションが如何に重要かということも実感しました。また、7月に金沢で開催されるISM-8を主宰される本領域の計画班員の小椋さん(千葉大)からは、その時点での国際会議主宰の苦労話をお聞きしました。2022年のヨーロッパ、アメリカでの国際会議は対面開催が主流になったこともあり、結局、6月にAsBIC10実行委員会は「対面開催」を決定しました。その時期としては、なかなか大胆な決断だっとのですが、その後、日本政府が日本入国の条件を大きく緩和したり、国内外でのコロナ感染者の数が増えたり減ったりと、開催までの半年間は一喜一憂しました。11月28日の初日を迎えた時には、伊東さん共々本当にホッとしました。しかし、一番残念だったのは、中国政府のゼロコロナ政策により、中国本土からの中国人研究者の参加がゼロになってしまったことです。制限なく国際会議が開催できるようになるまでには、もう少し時間がかかるのでしょう。

 紆余曲折はありましたが、26カ国から330名(その内、海外からは136名)の登録者があり、AsBIC10は無事開催できました。Plenary Lecture:10名、Keynote Lecture:33名、Invited Lecture:97名、Oral Presentation:24名、Poster Presentation:129名の発表内訳でした。様々な事情での直前のキャンセルもいくつかありましたが(幸い、会議期間内のコロナ感染者は1名のみ)、盛況なうちに終了することができました。対面開催のこともありBiological Chemistryを楽しんでいただいたと感じています。旧交を温められた方も多かったと思います。

 最終日のBanquetでは、分子研で第1回を主宰された北川禎三先生から、AsBIC立ち上げの経緯をご紹介いただきました。それ以来20年の月日を経てAsBICが日本に戻ってきたことには、感慨深いものがありました。私も参加しましたAsBIC1では、生物無機化学の名前が示す通り「化学」が主題の中心でした。すなわち、「金属酵素・金属タンパク質の構造と機能を様々な化学的手法で解き明かす」研究が主だったと記憶しています。もちろん20年経たAsBIC10でもこのテーマは健在です。一方で、生体内での金属の働きは多彩ですので、その観点、すなわち「生命金属科学」関連のテーマを積極的に取り込みたいと考えました。そのために、本学術領域の班員と関係者の皆さんには、セッションのプログラム作成・運営と講演・発表に大変なご助力をいただきました。ざっと数えただけでも50名近い領域関係者に登録いただきました。また、三日目の午後には「IBmS Special Session」として、津本さんのChairで高野・鈴木・當舍・中木戸・田村さんにご講演いただきました。プログラム作成の段階では、関係者のみの寂しいセッションにならないか心配していましたが、実際には50名もの聴衆が参加してくれ、活発な質疑応答もありました。AsBIC10のOutstanding Achievement AwardのHongzhe Sun (The University of Hong Kong)が来てくれて、質問もしてくれたのは大変ありがたかったです。他の外国人参加者からもAsBICの新しい方向性に賛同の言葉をいただきました。

 最後になりましたが、本学術領域からは多額の共催金をいただきました。おかげさまで余裕をもった会議運営ができました。深謝いたします。ありがとうございました。

IBmS Special Sessionでの様子

1月
21
第6回 領域会議地方巡業@九州 @ 九州大学病院キャンパス コラボステーション視聴覚ホール
1月 21 – 1月 22 終日

本年度では第2回目(通算では6回目)となる領域会議地方巡業が、2023年1月21, 22日(土・日)に九州大学病院キャンパス(コラボステーションI 2F 視聴覚ホール)にて、ハイブリッドで開催されます。世話人は、澤井さん(長崎大学)・堀谷さん(佐賀大学)・西山さん(九州大学)・西田さん(佐賀大学)の九州チームです。3件の招待講演も企画されていますので、ぜひご参加ください。なお、班員の方々には後日にオンライン参加用のアドレスをお知らせいたします。

【開催報告】(西田 翔:佐賀大学)

九州大学病院キャンパスおよびオンラインにて研究経過報告会を開催いたしました。現地参加登録は27名、オンライン参加登録は43名、総勢70名の方にご参加いただきました。今回は関西の一部・中四国・九州地区の10名の班員による経過報告が行われ、活発な議論が行われました。さらに、九州大学理学部の大谷亮先生、長崎大学薬学部の山吉麻子先生、広島大学工学部の加藤節先生の3名の講師をお招きして特別講演をしていただきました。錯体化学、薬学、生物工学と多彩な分野から話題をご提供いただき、学際的な本研究領域ならではの講演会となりました。各分野を代表される先生方のお話は大変刺激的であり、本研究領域において大きな糧となりました。ご講演いただきました先生方には深く御礼申し上げます。なお、一部の班員の発表については領域内限定で動画をアップロードしておりますので、ご覧ください。

5月
19
第7回領域会議地方巡業@横浜 @ 慶應義塾大学理工学部矢上キャンパス 厚生棟中大会議室
5月 19 @ 13:00 – 18:20

【開催報告】(A02-1計画班 古川)

5/19(金)の13時より、慶應義塾大学理工学部矢上キャンパスの厚生棟中大会議室において、第7回領域会議地方巡業が行われました。兵庫県立大学の城(領域運営統括)から挨拶と事務連絡がなされた後に、これまでの地方巡業で都合がつかなかった班員を含めて、主に関東地方の班員(12名)から研究の進捗状況が報告されました。今回の領域会議は翌日から生命金属科学シンポジウムが開催されることもあり、招待講演企画は設けませんでした。また、地方巡業は総括班メンバーと発表者以外はオンライン参加も可能とするハイブリッド形式で行われており、現地参加が40名ほど、Zoomを通じたオンライン参加も40名ほどになりました。おおよそ定刻通り(18:20)に終了し、その後に開催された情報交換会にて(33名の参加)、研究の進捗状況に関するディスカッションが続けられました。会議の準備や進行で、慶應義塾大学理工学部の川上了史さん、村木則文さん、ならびに、古川研の学生にお手伝いいただきました。ここに感謝いたします。

7月
5
第23回日本蛋白質科学会年会 @ 名古屋国際会議場
7月 5 – 7月 7 終日

【開催報告】(古川・慶応大)

7月5日からの3日間、名古屋国際会議場にて開催された第23回日本蛋白質科学会年会でワークショップ「生命現象を司る金属ホメオスタシスの理解」を共催いたしました。長崎大の澤井さんと一緒にオーガナイズし、初日(7/5)の16:00 – 18:30の枠をいただきました。

生命現象に必須の微量元素や金属(生命金属)に関するこれまでの研究は、個々の金属タンパク質に関する構造・機能の解明を中心として進められてきました。しかし実際の生体内では、様々な分子が複雑に絡み合うネットワークを用いて、生命金属の種類と量が包括的かつ精緻に調節され(金属ホメオスタシス)、種々の生理機能が実現しています。そこで、以下に示す7名の班員によって、疾患予防や食料危機、環境問題をも見据えた、私たちの金属ホメオスタシス制御に関する研究を紹介しました。活発な質疑応答があり、参加していただいた皆様に感謝いたします。

澤井 仁美(長崎大・院・工)
「蛋白質間相互作用による鉄ホメオスタシスの制御」

神戸 大朋(京大院・生命・統合生命)
「初期分泌経路局在型 ZNT 蛋白質を介した亜鉛酵素のメタレーションと活性化」

古川 良明(慶応大・理工)
「組織特異的な金属ホメオスタシスが神経変性疾患の病理に果たす役割」

高野 順平(大阪公大・農)
「ホウ酸トランスセプターによる植物のホウ素ホメオスタシス」

鈴木 道生(東大・院農)
「細胞外の金属ホメオスタシスーバイオミネラリゼーションにおける有機 – 無機相互作用」

平山 祐(岐阜薬大)
「鉄・ヘム動態の包括的理解に向けた化学ツールの開発」

内田 康雄(広大・薬)
「次世代型定量プロテオミクスを用いた金属トラフィック研究」

7月
9
第8回 領域会議地方巡業@仙台 @ 東北大学片平キャンパス 生命科学研究科プロジェクト総合研究棟大会議室
7月 9 @ 12:30 – 17:45

7月9日(日)に仙台において生命金属科学領域会議地方巡業を開催いたします(現地/オンラインハイブリッド開催)。特別講演として、松井敏高先生(株式会社レボルカ)、重田育照先生(筑波大学)、五十嵐和彦先生(東北大学)にご講演いただけることとなりました。詳細はポスターをご覧ください。

 

【開催報告】(有澤琴子:東北大学)

79日(日)に東北大学片平キャンパスおよびオンラインのハイブリッド開催にて第8回領域会議地方巡業を行いました。20名の方々の現地での参加と、34名のオンラインでの参加で総勢54名での会議となり、活発な議論が交わされました。今回は関東の一部・北海道・東北地方の班員6名による研究経過報告が行われ、特別講演として五十嵐和彦先生(東北大学)および、元公募班員で現班友である松井敏高先生(株式会社レボルカ)、重田育照先生(筑波大学)をお招きしました。分子生物学、AI、計算科学といったさまざまな視点からのお話は大変刺激的で、いかに生命金属領域の研究にこれらの先端技術を活用するかという点でも、参加者からの数々の質問にお答えいただきました。また班員の研究報告に対しても特別講演の先生方からご質問・ご助言をいただき、本領域の研究を発展させていくために大変貴重な場となりました。ご講演いただきました先生方に深く御礼申し上げます。会議後の情報交換会にも18名と現地参加者のほとんどが参加し、小規模ながらも濃密なディスカッションとなりました。

9月
7
第35回生物無機化学夏季セミナー @ i+Land nagasaki(アイランド長崎)
9月 7 – 9月 8 終日

【開催報告】(澤井仁美・長崎大学)

新学術領域「生命金属科学」のご共催により、第35回生物無機化学夏季セミナーを無事に終えることができました。まずは領域からのご支援に深く感謝申し上げます。今回は、第3回生命金属科学夏の合宿と同じ会場にて連続の日程で開催させていただけるということで、第35回の本セミナーのテーマを “「生物無機化学」と「生命金属科学」のマリアージュ” と設定し、4名の領域関係者に特別講演を行っていただきました。

生物無機化学夏季セミナーは、生物無機化学分野の中でも錯体化学の若手を中心とした勉強会として35年も続いている夏のイベントです。今回は「生物」の色を強めた内容に設定したので、錯体化学分野からの参加敬遠が危ぶまれましたが、「生命金属科学」の活動や概念に対して理解や興味のある錯体化学者の皆様のご協力により、学部2年生から大御所まで合計64名(うち学生45名)にご参加いただくことができました。

若手のための勉強会ということで、特別講演ではご研究の紹介にとどまらず、自らのご経験や若手の進路選択に役立つ情報も含めて楽しくご講演いただきました。領域以外の特別講演者として、日本で活躍しておられるイギリス人研究者(理研・ゴパラシンガム チャイ先生)と学術変革領域A「動的エキシトン」計画代表の女性研究者(長崎大・作田 絵里先生)をお招きし、日本とイギリスの違いやお母さん教授の生活などダイバーシティーを意識したお話をしていただき、学生さん達に刺激と夢を与えていただきました。

博士後期課程の学生さん3名には学生口頭発表をしていただき、その他43名の若手にはポスター発表で研究をアピールしていただき、全員投票によるポスター賞の選考を行いました。当初、ポスター賞は5件だけにしようと思って賞状や景品をご用意しておりましたが、同点で甲乙つけられない状況となり6件を選出することになりました。第3回生命金属科学夏の合宿ではポスター発表の機会がありませんでしたので、学生さん達にとっては良いアピールの機会となったようです。長崎大学の倉庫から伊王島まで、公用車の大型ワゴン2台を借りてポスターボードを運ぶのは大変でしたが、ポスターセッションを行って良かったと思えました。夜はポスターセッションの後、23時まで交流会(フリーディスカッション)としましたが、若い人達は深夜2時頃まで交流を楽しんでおられたようでした。

あっという間の2日間でしたが、第35回生物無機化学夏季セミナーを無事に終えられて安堵するとともに、マリアージュまではいかないとしても「生物無機化学」の若手が「生命金属科学」を知るきっかけとなっていれば本望だと思っています。本セミナーが若手にとって良い思い出となり、将来の研究活動の発展につながるよう願っております。最後になりましたが、ご共催いただきました新学術領域研究「生命金属科学」の領域関係者の皆様、長崎までお越しいただきました参加者の皆様ならびに特別講演者の先生方、力を合わせてお手伝いいただきました長崎大学と佐賀大学の学生さん達に深く御礼申しあげます。

参加者全員での集合写真。学部2年生から大御所まで幅広い層に「生物無機化学」と「生命金属科学」のマリアージュを楽しんでいただきました!

夜のポスターセッション(左)と交流会(右)の様子。シーサイドBBQを堪能した後にも関わらず、ポスターセッションでは設定時間ギリギリまで活発な議論が交わされ、その後は研究分野を越えた新たな仲間作りが深夜まで続いていました。

9月
8
第3回夏の合宿 @ i+Land nagasaki
9月 8 – 9月 9 終日

【開催報告】(長崎大学・澤井仁美)

北海道(ルスツ)で開催された第1, 2回夏の合宿とは趣向を変えて、第3回は日本最西端の地(長崎)の豊かな海に囲まれた伊王島での開催となりました。九州で屈指のマリンスパリゾートi+Land nagasakiを会場とすることで、各地からのアクセスがよくないにも関わらず、合計102名の領域関係者に完全対面にてご参加いただくことができました。そのうちの29名には、前日から開催された第35回生物無機化学夏季セミナーと連続(2泊3日)でご参加いただきました。台風シーズンにもかかわらず素晴らしい晴天に恵まれ、青く澄んだ海と空に「生命金属科学」の活動を応援してもらっているような気持ちになれました!

今回は2日間での開催でしたので、とても濃密なスケジュールとなりました。1日目は会場に到着後ひと息つく間もなく午後1時半頃からセッションが開始され、夜中23時頃まで熱い議論が交わされました。2日目は朝8時すぎから開始して、空港バスのお迎えがくる16時頃まで情報提供や意見交換がみっちりと行われました。とても慌ただしいスケジュールとなりましたが、快適な環境で楽しく寝食を共にすることで、たくさん意見交換しながら親睦を深め、将来の研究につながるアイデアと人脈を新たに築くことができたように思います。

さて、今回のテーマは「生命金属科学研究の将来を考えよう」ということで、1日目の皮切りは神戸大朋先生・高野順平先生・古川良明先生のご企画で「中堅研究者からみた生命金属科学の問題と提言」について、「新学術によって明らかとなった関連分野の諸問題(神戸先生・高野先生・古川先生)」そして「新学術での研究状況に基づいた将来への提言(小椋康光先生・當舎武彦先生・長野清一先生・三原久明先生)」についてお話しがありました。その後、白井理先生(京都大・院・農)による特別講演「イオン輸送と電子移動の共役」があり、錯形成による分配比と酸化還元電位の変化について数式を用いて理論的にご説明いただき、これまでとは違った観点で学ぶことができました。その後、学生・若手による口頭発表(7分)が10件続きました。今回はポスターセッションを開催しないことにしていたので、この口頭発表が自己アピールの場になったようでした。夕食はシーサイドBBQを満喫し、20時以降は若手会の企画「ざっくばらんに語り合おう」というテーブルディスカッションが開催されました。若手だけでなく古手も含めたほぼ全員を4~5名/班に振り分け、前半は「若手とベテランの交流を目的とした何でも相談会」、後半は「若手同士の交流会+ベテラン同士で議論;「生命金属科学」について思うところ」というテーマについてテーブル(班)ごとに話し合い、会議室が施錠される23時頃まで活発な意見交換や相談会が繰り広げられていました。2日目の朝イチは津本領域代表による「若手気悦研究者が考える生命金属科学の未来」というセッションが開催され、「新学術での研究経験に基づいた「生命金属科学」への意見(天貝佑太先生・川上了史先生・西田翔先生・藤澤貴央先生・田中佑樹先生)」からお話しいただきました。その後、学生・若手による口頭発表(7分)が8件と連携研究報告(12分)7件が昼休憩を挟んで行われました。さらに、学生・若手による口頭発表(学生10分、若手15分)8件がありました。とても濃密なプログラムだったことはお察しいただけると思いますが、各発表の詳細ついては古川良明先生が、若手会企画については鈴木道生先生が、ニュースレター第49号(https://bio-metal.org/whats-new/4083/)にてご紹介されています。

あっという間の2日間でしたが夏の合宿の最終回を無事に終えられて安堵するとともに、この経験が皆様にとって良い思い出となり、将来の研究活動の発展につながるよう願っております。学会などとは異なる雰囲気で意見交換したり親睦を深めることができるリトリートは、研究分野の担い手を増やす効果が絶大にあると思います。私は、生命金属科学研究会が発足したら「夏の合宿」もぜひ続けて欲しいと思っています(また世話人やりますので!)。最後になりましたが、遥々、長崎までお越しいただきました参加者の皆様ならびに特別講演者の白井先生、私のワンマン運営計画に対して改善策を考えて全面協力いただきましたi+Land nagasakiのスタッフの皆様ならびにお手伝いいただいた方々に深く御礼申しあげます。

9月
15
第34回日本微量元素学会学術集会 @ 三鷹産業プラザ7F
9月 15 – 9月 16 終日

【開催報告】(神戸・小椋)

第34回日本微量元素学会学術集会におきまして、9月16日(土)にIBmSとの協賛シンポジウム「生命金属科学の深化 -バイオメタル研究の新展開-」を開催しました。以下の5名の班員がIBmSで実施した研究の成果に関して講演を行い、少し時間をオーバーするほど充実したシンポジウムとなりました。学術集会の最後のセッションとなったために参加者の数が心配でしたが、多くの方にご参加いただき活発な質疑応答がなされ、盛会のうちに終えることができました。ご講演いただきました班員とご参加いただきました皆様にお礼申し上げます。

天貝 佑太 先生(東北大)
亜鉛が制御する分泌経路内タンパク質品質管理機構
小林 高範 先生(石川県立大)
鉄・亜鉛結合性ユビキチンリガーゼHRZによる植物の鉄シグナリング
西山 和宏 先生(大阪公立大)
Gタンパク質共役型受容体の機能修飾と生命金属に関する研究
藤枝 伸宇 先生(大阪公立大)
柔軟な金属中心を有する非ヘム金属酵素
平山 祐 先生(岐阜薬科大)
細胞内鉄・ヘム蛍光プローブの開発とイメージングへの応用

10月
5
メタルバイオサイエンス研究会2023 @ 岐阜市民会館
10月 5 – 10月 6 終日

【シンポジウム開催報告】(東北大・有澤琴子)

研究会2日目である10月6日 (金) の午前中に、A02 公募班の有澤(東北大)とA03 計画班の藤代(徳島文理大)がオーガナイザーとなって、シンポジウム3「生命金属によるオルガネラ機能の破綻・攪乱」を開催しました。オルガネラレベルでの金属代謝調節や、その破綻が生体へ及ぼす影響が徐々に明らかになってきています。本シンポジウムでは4名の講演者に、小胞体・分泌小胞・エンドソーム・リソソームといった様々なオルガネラの機能と生命金属の関わりについて講演していただきました。
朝一番のシンポジウムにもかかわらず多くの方々にお集まりいただき、質疑応答も活発に行われました。終了後もシンポジストを中心にディスカッションが盛り上がり、大変有意義なシンポジウムとなりました。ご参加いただきました皆様に感謝申し上げます。
天貝 佑太 (東北大・多元物質科学研究所)(A03 公募班)
「小胞体における亜鉛とレドックスのクロストーク」
宮崎 航(弘前大・大学院保健学研究科)
「カドミウム曝露細胞における細胞外小胞の産生・分泌機構とその小胞による骨分化 抑制メカニズムの解明」
有澤 琴子(東北大・大学院薬学研究科)(A02 公募班)
「セレン含有タンパク質 Selenoprotein P によるリソソーム内レドックス制御機構の解明」
石原 慶一 (京都薬科大・病態生化学分野)(A02 公募班)
「ダウン症モデルマウス脳でのエンドソーム異常による銅蓄積の可能性」
10月
31
第96回日本生化学会大会 @ 福岡国際会議場・マリンメッセ福岡B館
10月 31 – 11月 2 終日

【開催報告】(長野清一・大阪大学)

大会初日の10月31日(火)8時40分より公募A02班の長野(大阪大学)と公募B01班の内田(広島大学)がオーガナイザーとなり「生命金属動態の破綻・疾病・創薬」のタイトルでシンポジウムを行いました。本シンポジウムでは鉄、銅、亜鉛、セレン、水銀といった金属動態の破綻が様々な疾患の発症につながるメカニズムを以下の新進気鋭の演者により最新の知見を交えてご講演いただきました。早朝より多くの方にご参加いただき、各講演につき活発な議論が行われ無事終了しました。

長野清一(大阪大学大学院医学系研究科)(公募A02班)
「筋萎縮性側索硬化症における生命金属の役割」

福中彩子(群馬大学生体調節研究所)(公募A03班)
「生命金属輸送体ZIP13により生じた鉄を介した新しい脂肪分解制御機構」

有澤琴子(東北大学大学院薬学研究科)(公募A02班)
「セレン輸送タンパク質セレノプロテインPを介した肝臓の金属動態調節と肝疾患制御」

黄基旭(東北医科薬科大学薬学部)
「メチル水銀による脳神経障害におけるtmRT1の役割と今後の展望」

菅波孝祥(名古屋大学環境医学研究所)(公募A02班)
「脂肪肝・NASHにおける生命金属動態の破綻と肝線維化における意義」

1月
20
最終報告会 @ 岡崎コンファレンスセンター
1月 20 @ 08:26 – 1月 21 @ 09:26

【開催報告(A01-2 青野)】

今年度が本新学術研究領域の最終年度となることから、1月20日、21日の二日間にわたって最終報告会をオンサイトで開催しました。最終報告会では、48名の計画班員・公募班員(第1期のみの公募班員7名を含む)が、これまでの成果を発表しました。発表・質疑応答の時間は、計画班員は15分、公募班員は10分という非常にタイトなスケジュールでしたが、いずれの発表も研究成果が簡潔にまとめられたものであり、質疑応答も非常に活発に行われました。

1日目の最後の発表では、城(運営統括)から5年間の領域運営のまとめが報告されました。そこでは、8回の地方巡業を含め13回の領域会議、12回のIBmS Web Seminar、3回の「夏の合宿」、2回の生命金属科学シンポジウムを開催することにより、本領域の発足にあたって掲げていた「連携研究の促進」が十分に実を結んだことが報告されました。班員による成果発表においても、領域内連携研究の成果が多く報告され、さらに「もし本領域に参加していなかったら顔を合わせることもなかった研究者と知り合いとなり、実施することはなかったであろう共同研究を実施でき、新たな研究展開が得られた」と話す班員も多くありました。運営報告では、外部への情報発信の状況として、ニュースレター、年度報告書、および書籍の発行、研究最前線ビデオシリーズの作成・公開、最終報告書の作成状況なども報告されました。また、「生体内の金属を研究する研究者が、同じ空間を共有する場の構築」するための方策として、若手会の継続、生命金属科学研究会の発足などについても言及がありました。1日目の夕方には、意見交換会を実施し、寛いだ雰囲気の中で有意義な意見交換を行うことができました。

2日目も班員による発表が行われ、最後の発表では津本(領域代表)から領域としての5年間の成果のまとめが報告されました。報告会の最後には、評価委員である齋藤正男先生、宮嶋裕明先生、リーディングサイエンティストである藤原徹先生から講評・コメントをいただきました。いずれの先生からも高い評価をいただくとともに、(特に若い人には)小さくまとまった研究ではなく、ホームラン狙いの野心的な研究を進めてほしいとの激励もいただきました。

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