【オンライン開催】第94回日本細菌学会総会

公募班員の中川一路(京都大学)がコンビーナとして、シンポジウム「生命金属の新潮流」を開催します。  詳細はこちらをご覧ください。なお、本シンポジウムは本新学術領域との共催となっております。

概要
鉄、亜鉛、銅をはじめとするいくつかの金属元素は、生体内に微量しか存在しないものの、エネルギー変換、物質変換、情報変換など重要な生命現象に関わっている。あらゆる生物の生命を維持する上で必須の金属や半金属元素を「生命金属」と定義すると、生命金属の吸収、輸送、運搬、感知、活用といった生体内動態は厳密に制御され、その破綻は疾病の原因となる。病原性細菌にとっても、病原性遺伝子の発現やその制御において、金属は重要な機能を担っている。その一方で、これまで「表現系」のみで解析されてきた細菌の金属の獲得・制御メカニズムがその構造的な解析と共に機能的に詳細な解析が可能となってきている。本シンポジウムでは、生命金属による細胞機能の制御メカニズムを、化学・構造生物学・分析化学や創薬対象として幅広い視点からの最新知見を交えて紹介し、「生体金属科学」研究が迎えた新たな展開と将来展望について議論したい。

講演者:
横山 武司(東北大学)「黄色ブドウ球菌膜孔形成毒素ステムドメインの改変による膜孔形成能の考察」
中木戸 誠(東京大学)「化膿連鎖球菌由来金属獲得蛋白質MtsAに対する機能阻害剤の探索」
澤井 仁美(兵庫県立大学)「ヘム応答性センサータンパク質による溶血性細菌の生存の構造的機序」
古川 良明(慶應義塾大学)「バクテリアにおける銅・亜鉛スーパーオキシドディスムターゼの機能とその成熟化メカニズム」
相川 知宏(京都大学)「A群レンサ球菌の増殖に必要な鉄獲得機構に対する阻害剤の探索」

【実施報告】(中川一路・京都大)

2021年3月23日―25日にウェブで開催された日本細菌学会総会にて、「生命金属の新潮流」というタイトルで、新学術領域「生命金属」との共催でシンポジウムを開催した。概要に記載した内容で、本領域からは、東北大・横山先生、東京大学・中木戸先生、兵庫県立大・澤井先生、慶応大・古川先生、京都大学・相川先生を演者に招き、活発な議論が行われた。

細菌学の領域は、これまで「病原性」を主眼においた研究が中心に行われており、分子論の視点からの研究が弱い、という欠点があった。一方、分子・構造から類推される面白さと、実際の表現系の間には解離がある、ということから必ずしも構造的な解析が病原性に結びつかないという矛盾もあった。本シンポジウムの開催によって、その両者の視点から感染症の原因解明に結びつく新たな研究展開が期待される。

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